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義時三男 北条重時墓前祭 ~極楽寺~

極楽寺は江ノ電極楽寺駅を出てすぐのところにある真言宗の寺院です。開山は忍性(にんしょう)、開基は鎌倉幕府2代執権北条義時の三男である北条重時です。

北条重時は1261年(弘長元年)11月3日に没したことから、11月3日に北条重時墓前祭が行われます。この墓前祭はこれまで関係者のみで行われてきましたが、2022年11月3日は「来て、見て、学ぶ」をテーマに一般に開放されて実施されました。

更新状況

  • 2023年9月10日:記事掲載

北条重時とは

北条重時は、鎌倉幕府2代執権である北条義時の三男であり、名執権といわれた3代執権北条泰時の弟に当たります。33歳のときに六波羅探題として上洛し、京都の守りと西国に意を配り、朝廷の動静を看視します。

1247年(宝治元年)には鎌倉に戻り執権の補佐役である「連署(れんしょ)」に就き、北条一門の長老として幕府を支えました

その後重時は1261年(弘長元年)11月3日にこの世を去り、重時の息子である北条長時・業時(なりとき)兄弟が極楽寺の造営を続け、金堂を中心に数多くの堂宇が建立されました。

六波羅探題とは

承久の乱後に京都に設置された幕府の役職。朝廷や西国に目を光らせましたが、1333年の鎌倉幕府の滅亡とともに六波羅探題も廃止されました。

極楽寺に行ってみよう

極楽寺への行き方

江ノ電極楽寺駅

江ノ電極楽寺駅

極楽寺の最寄り駅は江ノ電の極楽寺駅です。極楽寺駅は「関東の駅百選」に選定されている駅で、丸い郵便ポストが印象的です。また、この駅を中心とした地域は多くの映画やテレビドラマの舞台にもなっています。

関東の駅百選

「鉄道の日」記念行事の一環として1997年から2001年の4年間に公募により選定した関東地方の特徴ある100の鉄道駅。「かまふち」ではほかに、鎌倉駅、北鎌倉駅、鎌倉高校前駅、片瀬江ノ島駅が選定されています。

 

極楽寺山門

極楽寺山門

改札を出たら線路沿いに緩い坂を登り、江ノ電の線路の上に架かる桜橋を渡ると茅葺の山門が見えてきます

極楽寺山門の「北条重時墓前祭」の看板

極楽寺山門の「北条重時墓前祭」の看板

11月3日の北条重時墓前祭の日は、山門に「北条重時墓前祭」と書かれた看板が掲げられます。

極楽寺境内の様子

極楽寺参道の桜並木

極楽寺参道の桜並木

山門をくぐると桜並木の参道となります。この日は11月なのでもちろんサクラは咲いていませんが、春には美しい桜並木となることでしょう。

桐ケ谷桜

桐ケ谷桜

サルスベリの巨木

サルスベリの巨木

さらに進むと右側には鎌倉原産とされる桐ケ谷桜、左手にはサルスベリの巨木があります。どちらも季節になれば美しい花を咲かせることでしょう。

極楽寺本堂

極楽寺本堂

まずは本堂でお参りします。

北条重時墓前祭 当日の催し物

北条重時墓前法要は午後1時15分からですがこの日はそのほかにも数々の催しが行われています。

項目 時刻・場所等
講演と薩摩琵琶演奏 10時30分から 客殿 定員40名(当日受付)、500円
北条重時墓前法要 13時15分から 奥の院
考古学者古田土(こたと)俊一氏講演 14時30分から 客殿 定員40名(当日受付)、500円
北条重時公墓特別参拝 10時から16時 奥の院
天宝輪殿拝観 10時から16時 300円
喫茶去(抹茶と菓子) 10時30分から16時 寺務所前 500円
久遠(朝採れ野菜販売) 12時30分からなくなるまで 客殿前

上記スケジュールは2022年のものです。

講演と薩摩琵琶演奏

客殿と薩摩琵琶演奏の案内板

客殿と薩摩琵琶演奏の案内板

薩摩琵琶奏者である坂麗水(ばんれいすい)氏の講演と薩摩琵琶演奏(「鎌倉時代と琵琶法師たち」)は当日受付(500円)、定員40名で行われました。

北条重時の墓所と忍性墓

境内に並ぶ説明版

境内に並ぶ説明版

本堂でお参りを済ませたら本堂横の通路を進みます。この日は北条重時墓前祭ということで、普段は見られない説明板が境内に並べられています。この説明版には極楽寺の歴史や北条重時と六波羅探題の説明などが書かれています。

奥の院への道

奥の院への道

 

奥の院への道

奥の院への道

本堂横を通り一旦境内の外に出ます。住宅街を抜けて小学校のグラウンドの横を過ぎると、極楽寺の奥の院に到着します。

奥の院は写真撮影禁止です。

極楽寺奥の院(生垣の向こう)

極楽寺奥の院(生垣の向こう)

奥の院に入ると正面に巨大な五輪塔がありますが、これは開山の忍性の墓です。高さは3メートルを超え、国の重要文化財に指定されています。

北条重時の墓とされる宝篋印塔は忍性墓に向かって左側の中央付近にあります。

転法輪殿拝観

千服茶臼と製薬鉢 右奥が転法輪殿

千服茶臼と製薬鉢 右奥が転法輪殿

奥の院の拝観が終わったら再び境内へ。転法輪殿(てんぽうりんでん)は極楽寺の寺宝を集めた収蔵庫。釈迦如来坐像・十大弟子像(いずれも国指定重要文化財)などが公開されます。

管理人 sho
写真右上の扉が転法輪殿の入り口です。
千服茶臼と製薬鉢は茶を薬として調合するために使われたといわれています。
こん吉

4月25日から5月25日と10月25日から11月25日の火・木・土・日曜のみ開館(雨天休館) 300円 本尊木像釈迦如来立像は4月7日・8日のみ公開 通常300円のところこの2日間は700円となります。

本尊開扉日は2022年と2023年とで変更になっています。今後も鎌倉市観光協会公式サイトなどで確認してからお出掛けされることをお勧めします。

本尊開扉日(極楽寺仏生会・花祭り)については下記のリンクを参照してください。

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本尊御開帳もあります ~極楽寺仏生会(花まつり)~

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抹茶と茶菓子

抹茶と茶菓子

本殿や奥の院、そして転法輪殿をひととおり回ったら。寺務所前で抹茶と茶菓子でひと休みとします(500円)。

極楽寺への交通アクセス

江ノ電極楽寺駅から徒歩およそ2分

近くの見どころ

中華料理 盛華園

極楽寺を出て江ノ電沿いに歩き突き当りを左に進むと中華料理の盛華園があります。詳しくは下記リンク先を参照してください。

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極楽寺近くの小さなお店 ~盛華園~

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伝上杉憲方の墓

第2代鎌倉公方足利氏満に仕えた関東管領である上杉憲方のものとされる墓が極楽寺近くにあります。詳しくは下記リンクを参照してください。

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極楽寺北条重時墓前祭のまとめ

  • 北条重時は鎌倉幕府2代執権北条義時の三男で極楽寺の開基
  • 2022年11月3日に北条重時墓前祭が初めて一般公開の形で実施された。
  • 通常非公開の開山忍性・開基北条義時の墓が公開される
  • 琵琶演奏や考古学者による講演、抹茶の提供などが併せて実施される。

いかがでしたでしょうか。極楽寺北条重時墓前祭の概要についてひととおりまとめましたが、もしも気になるようでしたらお出掛けされてはいかがでしょうか。

2023年も同様に開催されるかどうかは鎌倉市観光協会の公式サイト等でご確認ください。


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