神社・仏閣 鎌倉市

観音様のお導きを ~杉本寺~

杉本寺(すぎもとでら)は、鎌倉駅東口でバスに乗り杉本観音バス停でバスを降りた目の前にあります。苔むした石段や、国の重要文化財に指定されている仏像などもあり、見どころの多いお寺です。

更新状況

  • 2026年8月30日:記事掲載

杉本寺とは

杉本寺:本堂

杉本寺:本堂

杉本寺は鎌倉駅から東の方向に延びる金沢街道沿いの、鎌倉市二階堂にある天台宗の寺院です。山号は大蔵山(だいぞうざん)、開基は行基と伝えられます。

8世紀に関東地方を歩いていた行基が、自ら彫刻した観音像をここに安置し、734年(天平6年)に光明皇后が本堂を建立したといわれています。

慈覚大師円仁(えんにん)が中興開基となり、恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)が十一面観音を安置して坂東三十三観音の第一番の札所となりました。鎌倉幕府開府以前から鎌倉にあった、鎌倉最古の寺院とされています。

吾妻鏡によると、かつては大倉(蔵)観音堂と呼ばれていましたが、文治5年(1189年)11月23日に火災により炎上した際、当時の別当が火中に入り、衣をわずかに焦がしただけで無事に観音像を救出したことから、これは観音の功徳によるものとされ、信仰を集めたといいます。

また、観音像が自ら庭の大杉の根元に火を避けて立っていたことから「杉の本の観音」と呼ばれるようになったともいいます。

杉本寺は3体の十一面館をその本尊とします。この3体は本堂奥の内陣に並んで鎮座しています。3体の観音像の配置は以下のとおりです。

  • 左:伝行基作
  • 中央:伝慈覚大師円仁作(平安後期作)国指定重要文化財
  • 右:伝恵心僧都源信作(鎌倉時代中期作)国指定重要文化財

行基が刻んだという十一面観音は、寺の前をウマに乗ったまま通り過ぎようとすると必ず落馬してしまうことから「下馬観音」と呼ばれるようになりました。

また、建長寺の開山である蘭渓道隆が、自らの袈裟をもってこの観音像を覆ったところ、落馬する者がいなくなったことから「袈裟観音」とも呼ばれたとの伝承があります。

杉本寺は、坂東三十三観音(1番札所)、鎌倉三十三観音(1番札所)、鎌倉二十四地蔵(4番・6番札所)などの鎌倉霊場、鎌倉名所巡りの対象地にもなっています。

本尊の十一面観音のほか、次のような仏像があります。

  • 本尊前立(まえだち)十一面観音(伝源頼朝寄進、ただし室町時代作)
  • 毘沙門天像(伝宅間法眼浄宏(たくまほうげんじょうこう)作)
  • 地蔵菩薩像(伝安阿弥(あんなみ)作)
  • 地蔵菩薩像(伝運慶作、ただし室町時代作)

ほかに、不動明王、観音三十三身像などの仏像も安置されています。

杉本寺へ行ってみよう

杉本寺入り口

杉本寺入り口

杉本観音バス停でバスを降りると目の前が杉本寺の入り口となります。

杉本寺:階段と白い幟

杉本寺:階段と白い幟旗

拝観受付で拝観料を納め、両側に白い幟旗を見ながら階段を登ります。

杉本寺境内散策

杉本寺:仁王門

杉本寺:仁王門

杉本寺:仁王門 大蔵山の扁額

杉本寺:仁王門 大蔵山の扁額

階段を進むと、茅葺八脚門の仁王門があります。仁王門には阿形・吽形の仁王像が参拝者を迎えてくれます(伝運慶作)。仁王門の扁額には「大蔵山」の文字が刻まれています。

杉本寺:弁天堂

杉本寺:弁天堂

仁王門の右手には弁天堂があります。

杉本寺:弁天堂

杉本寺:弁天堂

弁天堂の脇には小さな池があります。弁才(財)天はもともとヒンズー教の川の神様。そのため、日本に入ってからも水の近くに祭られることが多くなっています。

杉本寺:弁天堂の石塔

杉本寺:弁天堂の石塔

杉本寺:弁天堂のアジサイ

杉本寺:弁天堂のアジサイ

杉本寺:苔むした石段

杉本寺:苔むした石段

杉本寺:小さなお地蔵様

杉本寺:小さなお地蔵様

正面の石段は鎌倉石の一枚岩に段を刻んだものといわれています。苔を保護するために参拝者は左側の石段を登ります

本堂とその周辺

杉本寺:本堂

杉本寺:本堂

杉本寺の本堂は茅葺屋根の堂々とした建物です。上から見ると正方形をしており、密教本堂の特色を表しています。何度か焼失と再建を繰り返し、現在の姿になっています。

杉本寺:苔むした石段を上から見る

杉本寺:苔むした石段を上から見る

杉本寺:六地蔵

杉本寺:六地蔵

本堂に向かって右手には六地蔵が並びます。また、六地蔵の右手にある風化の激しい石像は、三浦義明の長男である杉本太郎義宗(よしむね)が守り本尊とした地蔵菩薩と伝わります。

杉本寺:五輪塔群

杉本寺:五輪塔群

六地蔵の右手には無縁の五輪塔群があります。

杉本寺の裏山には、かつて杉本太郎義宗(よしむね)が築いたとされる杉本城がありました。ここにある五輪塔はこの時の戦乱の犠牲者の供養塔ともいわれています。

杉本寺:苔庭

杉本寺:苔庭

杉本寺:苔庭

杉本寺:苔庭

杉本寺:苔庭

杉本寺:苔庭

杉本寺:苔庭

杉本寺:苔庭

本堂右手には真新しい苔庭があります。

杉本寺:権現堂

杉本寺:権現堂

杉本寺の本堂の背後には権現堂(白山大権現・熊野大権現)があります。

杉本寺:本堂

杉本寺:本堂

杉本寺:鐘楼

杉本寺:鐘楼

ご朱印

今回はご朱印はいただいていません。

杉本寺のまとめ

  • 杉本寺は、JR鎌倉駅からバスに乗り杉本観音バス停で降りてすぐのところにある天台宗の寺院
  • 本尊は3体の十一面観音像で、そのうち2体は国の重要文化財に指定されている。
  • 本尊十一面観音以外の仏像や苔むした石段など見どころも多い。

いかがでしたでしょうか。杉本寺の概要についてひととおりまとめました。もし興味があればお出掛けされてはいかがでしょうか。

交通アクセス

JR鎌倉駅東口から金沢八景行き・鎌倉霊園行きバスに乗り「杉本観音」バス停下車目の前

連絡先 大蔵山杉本寺
鎌倉市二階堂903
TEL:0467-22-5977
杉本寺公式サイト 杉本寺公式サイト

この記事が気に入ったらフォロー!


参考文献

  • 鎌倉観光文化検定公式テキスト
  • 深く歩く 鎌倉史跡散策 神谷道倫著 かまくら春秋社
  • 鎌倉市観光協会公式サイト
◇◇この記事をみんなに知らせる◇◇

-神社・仏閣, 鎌倉市
-, , ,

© 2026 かまふち